高校生の主権者教育
2015年10月19日
前回のブログから、ちょっと時間が経ってしまいまして申し訳ありませんでした。
今回は、このブログで何度か提案した、新聞を使った主権者教育についてです。
実は、この新聞を使った主権者教育を早速実践した高校があったのです。

これは、先月9月8日の朝日新聞社会面で、
実践したのは山口県立柳井高校。
6月下旬の現代社会の授業の「平和主義と我が国の安全」というテーマで行われた際に
安全保障関連法案についての紙面を取り上げたのですが、
そこで、朝日新聞と日本経済新聞の2紙の記事を読み比べたのです。
ところが7月初めの県議会で、自民党議員が
「特定の記事を教材に使ったのは政治的中立性に欠ける」と指摘したのです。
県の教育委員会も朝日新聞の取材に対して、
「今回のテーマについては新聞2紙では不十分で、さらに多様な資料を提供すべきだった」と答えています。
確かに、県教委の言うとおりで、柳井高校が朝日新聞と日経新聞のどの記事を比べたのかは定かではありませんが、
6月の初めと言えば、6月4日の衆議院憲法審査会で与野党が推薦した憲法学者3人を招いて参考人質疑が行われ、
安全保障関連法案について、全員が「憲法9条違反」と名言した時期だったのです。
では、この翌日6月5日の2紙は?
朝日新聞は社説で

一方、日本経済新聞は

まぁ、比較すれば、朝日新聞が社説で安保関連法案に疑義を唱えているのに対して
日経新聞は、そのままストレートに取り上げていて、特段”政治的中立性”に問題があるようには思えないのですが・・・。
では、この日の他紙はどんな風な取り上げ方をしていたのか?
この安全保障関連法案に批判的な毎日新聞、東京新聞は1面トップに取り上げました。
毎日新聞

東京新聞

ちなみに、東京新聞は前日の夕刊の1面トップでも、いち早く取り上げていました。

では、この法案に賛成の立場を取っている読売新聞と産経新聞は?
読売新聞は中の紙面で小さく3段で

その下にある、”民主・後藤議員 酒酔いトラブル!の記事の2段扱いと比べると、大きさが分かります。
では、産経新聞は?

こちらは、取り上げた紙面のスペースは大きかったのですが、よく見ると・・読売新聞よりももっとストレートに?、
右に与党が推薦した憲法学者を「人選ミス」とし、左に同じ大きさで後藤議員の泥酔騒動を「エース 泥酔騒動」とした上で
中央に「”失策”与党も野党も」の見出しを付けたのです。
まさに、産経新聞しか読んでいなければ、ことの重大性がわからなくなるユニークな?紙面構成ですね!
ただ、政治的中立性ということであるならば、これも新聞社の主義・主張なわけで、
その意味からすると、新聞を使った主権者教育をする上では、幅広い意見の記事を取り上げること、
柳井高校の例で言うならば、少なくとも全国紙はすべて取り上げ、
加えて、中国新聞等のブロック紙も取り上げるべきだったのではないかと思います。
今回は、このブログで何度か提案した、新聞を使った主権者教育についてです。
実は、この新聞を使った主権者教育を早速実践した高校があったのです。

これは、先月9月8日の朝日新聞社会面で、
実践したのは山口県立柳井高校。
6月下旬の現代社会の授業の「平和主義と我が国の安全」というテーマで行われた際に
安全保障関連法案についての紙面を取り上げたのですが、
そこで、朝日新聞と日本経済新聞の2紙の記事を読み比べたのです。
ところが7月初めの県議会で、自民党議員が
「特定の記事を教材に使ったのは政治的中立性に欠ける」と指摘したのです。
県の教育委員会も朝日新聞の取材に対して、
「今回のテーマについては新聞2紙では不十分で、さらに多様な資料を提供すべきだった」と答えています。
確かに、県教委の言うとおりで、柳井高校が朝日新聞と日経新聞のどの記事を比べたのかは定かではありませんが、
6月の初めと言えば、6月4日の衆議院憲法審査会で与野党が推薦した憲法学者3人を招いて参考人質疑が行われ、
安全保障関連法案について、全員が「憲法9条違反」と名言した時期だったのです。
では、この翌日6月5日の2紙は?
朝日新聞は社説で

一方、日本経済新聞は

まぁ、比較すれば、朝日新聞が社説で安保関連法案に疑義を唱えているのに対して
日経新聞は、そのままストレートに取り上げていて、特段”政治的中立性”に問題があるようには思えないのですが・・・。
では、この日の他紙はどんな風な取り上げ方をしていたのか?
この安全保障関連法案に批判的な毎日新聞、東京新聞は1面トップに取り上げました。
毎日新聞

東京新聞

ちなみに、東京新聞は前日の夕刊の1面トップでも、いち早く取り上げていました。

では、この法案に賛成の立場を取っている読売新聞と産経新聞は?
読売新聞は中の紙面で小さく3段で

その下にある、”民主・後藤議員 酒酔いトラブル!の記事の2段扱いと比べると、大きさが分かります。
では、産経新聞は?

こちらは、取り上げた紙面のスペースは大きかったのですが、よく見ると・・読売新聞よりももっとストレートに?、
右に与党が推薦した憲法学者を「人選ミス」とし、左に同じ大きさで後藤議員の泥酔騒動を「エース 泥酔騒動」とした上で
中央に「”失策”与党も野党も」の見出しを付けたのです。
まさに、産経新聞しか読んでいなければ、ことの重大性がわからなくなるユニークな?紙面構成ですね!
ただ、政治的中立性ということであるならば、これも新聞社の主義・主張なわけで、
その意味からすると、新聞を使った主権者教育をする上では、幅広い意見の記事を取り上げること、
柳井高校の例で言うならば、少なくとも全国紙はすべて取り上げ、
加えて、中国新聞等のブロック紙も取り上げるべきだったのではないかと思います。
高校生の政治活動
2015年10月01日
このブログで、
「18歳から投票が出来る!!(6月23日)」
「続・18歳参政権(7月28日)」
と、2回にわたり、公選法の改正について取り上げて来ました。
そして、それに伴う主権者教育をどうすればいいのか?
ということも、提言をして来ました。
そんな中で出てきたのが、7月初旬の記事でした。

この自民党の文部科学部会の提言は、高校生への対応として、
”政治的活動は学校内外で抑制的であるべきだとの指導を高校が行えるよう、政府が責任を持つ”
というものでした。
しかし、政治に参加をすることになる高校生に対して、
”政治的活動は学校内外で抑制的であるべき”というのはおかしいのでは?
と、文部科学省も思ったのか、先月こんな通知案がまとまりました。
9月15日朝日新聞夕刊一面

今回の通知案では、学校外の政治活動については、”生徒の主体的な判断で行う”となったのです。
ただし、「暴力的、学業に支障があると認められれば、制限または禁止などの指導をする」という条件付き。
文言としては当たり前ですが、若干恣意的に運用されないかが、ちょっと心配です。
また、文部科学省によりますと、今後検討を進めるため、通知案の文面が変わる可能性があるとのこと。
まだまだ注視していかなくてはならないようです。
この通知案では、主権者教育についても述べているのですが、
これについては、次回のブログで取り上げる予定です。
「18歳から投票が出来る!!(6月23日)」
「続・18歳参政権(7月28日)」
と、2回にわたり、公選法の改正について取り上げて来ました。
そして、それに伴う主権者教育をどうすればいいのか?
ということも、提言をして来ました。
そんな中で出てきたのが、7月初旬の記事でした。

この自民党の文部科学部会の提言は、高校生への対応として、
”政治的活動は学校内外で抑制的であるべきだとの指導を高校が行えるよう、政府が責任を持つ”
というものでした。
しかし、政治に参加をすることになる高校生に対して、
”政治的活動は学校内外で抑制的であるべき”というのはおかしいのでは?
と、文部科学省も思ったのか、先月こんな通知案がまとまりました。
9月15日朝日新聞夕刊一面

今回の通知案では、学校外の政治活動については、”生徒の主体的な判断で行う”となったのです。
ただし、「暴力的、学業に支障があると認められれば、制限または禁止などの指導をする」という条件付き。
文言としては当たり前ですが、若干恣意的に運用されないかが、ちょっと心配です。
また、文部科学省によりますと、今後検討を進めるため、通知案の文面が変わる可能性があるとのこと。
まだまだ注視していかなくてはならないようです。
この通知案では、主権者教育についても述べているのですが、
これについては、次回のブログで取り上げる予定です。
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